撮影機材


1.ε250C
2.ε250Cの諸元
3.ガイド鏡
4.Kowa PROMINAR 500mm F5.6 FL
5.FD 300mm F2.8L
6.μ180
7.FC60NZ
8.天体の導入
2017 07 17
9.TG-SP 2021 05 07
10.SIGMA 105mm F1.4 DG HSM


1.ε-250C


ハイパーボライド・アストロカメラε250c

 ε250Cは高橋製作所の口径 25cm のアストロカメラである。主鏡は双曲面鏡で補正レンズと組み合わせ収差を補正する。補正レンズはわずかな色収差があるが、2007年5月より色収差の少ないデジタル対応のものに交換した。焦点距離 850mm、F3.4の明るさであるが斜鏡などによるケラレ、反射鏡の反射率、補正レンズでの反射吸収などによって実効 F値は F3.4 はない。鏡筒はカーボンファイバーを使用し温度変化による焦点位置の変化が少ない。またカーボン鏡筒のために鏡筒質量は約 20kg と軽量である。架台はタカハシJPである。2008年12月より E-ZEUS により自動導入化を行った。バランスウエイト4つをバランスウエイトシャフトを延長して使用している。ガイド鏡は FC60NZ 使用してプレートに鏡筒バンド2個で直づけで使用していたが、STL-11000M のセルフガイドや QHY16200A のオフアキシスガイダーを使用するようになって廃止。フードを取り付けると全長が長く鏡筒直径も太いので風が吹くとつらい。カメラ位置は、架台にもっとも負担がない位置(極軸回りのモーメントが最小)で使用。ファインダーはどの方向に鏡筒が向いても楽に見える位置である。

2.ε250Cの諸元
 
名称 ε250C(タカハシ)
形式 ハイパーボライド・アストロカメラ
口径 250mm
焦点距離 854mm  旧補正レンズ使用
850mm  デジタル対応補正レンズ使用
口径比 F3.4 旧補正レンズ      (実効F 約 F4.5 実測値)
F3.4 デジタル対応補正レンズ (実効F 未測定)
斜鏡 短径 95 mm
メタルバック 84.2 mm
鏡筒 カーボン鏡筒(内側に植毛紙を貼り付け)
鏡筒質量 20 kg
カメラ    ・銀塩
マミヤRZ67 フイルムホルダー(吸引改造)
100mm角フイルターボックスとマミヤホルダー補助リング(タカハシ)を使用した自作カメラである。
 ・デジタル一眼レフ
EOS Kiss Digital (HEUIB フイルター換装)
EOS 5D       (UIBAR-Ⅱフイルター換装  IDAS 5D-AP )
EOS 40D (UIBAR-Ⅲフイルター換装 冷却改造:SEO COOLED 40D)売却済み
EOS 6D (SEO-SP4)
※デジタルカメラの画像処理の方法

 ・冷却CCDカメラ
SBIG STL-11000M
QHYCCD QHY16200A
SBIG LRGB フィルター(~2013 3月)
Astrodon Tru-Balance Gen2 LRGB I-Serise LRGB フィルター(2013 4月~)
Astrodon Tru-Balance Gen2 LRGB E-Serise LRGB フィルター(QHY16200A用)
ピント合わせ デジタル一眼レフ:ロンキー板、ライブビュー
銀塩フイルム   :ナイフエッジ
βSGR       :2011年1月より
イメージサークル φ70mm 旧補正レンズ        
φ50mm デジタル対応補正レンズ 
焦点面上のスケール 242″/mm 、4′/mm
3.ガイド鏡
名称 FC60NZ (タカハシ)
口径 60 mm
焦点距離 500 mm
ガイドシステム

ST-4(SBIG) (売却)
イメージシフト(誠報社)
光路分割アダプター(誠報社)
鏡筒バンド(タカハシ)2個を使いプレートに直づけ。ガイド星の選択はイメージシフトによって光路分割アダプターに取り付けた接眼レンズ(IR-E6mm)をのぞき適当な明るさのものを選ぶ。
α-SGR + MTV-73S85HN-BS    2009年9月~
イメージシフト(誠報社)     
鏡筒バンド(K-Astec)を使いプレートに直づけ。ガイド星の選択はパソコン上で行う。イメージシフトは適当な明るさの恒星が見つからないときの緊急用。
ガイドの方法
STL-11000M によるセルフガイド、QHY5L-Ⅱ によるオフアキシスガイドを行うことがほとんどなのでガイド鏡は使用していない。
架台
名称 タカハシJP (1984年)
プレート 18mm厚アルミ製特注品
モータードライブ PD-6
E-ZEUS  :2008年12月より自動導入化
E-ZEUSⅡ :2016年 7月よりモーターを寒冷地仕様に変更


ε250Cの撮影システム 




箱の中にケーブル、ACアダプター、E-ZEUS、βSGRコントローラー、USBケーブルを収納

フタをとると複雑なケーブルが...ケーブルを1セット(同じ系統にまとめた)ごとに接続。この上に板を載せてパソコンを置く


光軸修正用の椅子

光軸修正用の椅子。この上に鏡筒をのせる。普段は右のようにして使用。


鏡筒をのせる。 下から光軸修正用のねじが容易に調整できる。

光軸調整用の冶具



2WAYフォーカシングレール(ケンコー)を利用してカメラ位置をXYに微調整してPC上で画像を確認しながら光軸を合わせる。写真右の中心の点は斜鏡のセンターマーク、中心の白い円は主鏡のセンター穴。すべてが同心円状になれば良い。レンズはCanon FD 35mmF3.5、カメラはDMK31AU03-ASだが重くなりすぎた。


主鏡の再メッキ  2018 03 07
 1995年に購入したε250c は20年以上が経過し、主鏡の反射率の低下が心配された。構造上、主鏡面にはゴミが落下するため年に数回水で洗浄している。鏡筒開口部からライトで照らすと全体的に光が散乱しているように見えた。このため思い切って再メッキすることにした。再メッキはAl高反射にしたかったのだが主鏡の一部に傷があるため安全性をみてAlSiO₂で依頼した。斜鏡は両面テープでセルに張り付いていること、正しい位置にセンターマークをつける方法に不安があること、常に反射面が下を向いているので比較的綺麗な状態であるので今回は再メッキをしないことにした。鏡筒に組み込んだ主鏡に光を当てるとかつてあった光の散乱が明らかになくなった。
再メッキの依頼は Celldren である。



JP赤道儀の回転架台

移動観測で機材を組み上げたときに極軸望遠鏡に北極星が入っていないと大変である。力まかせでピラーを動かしていた。これを解決したのがこれ。「テレスコ工作工房」で購入。


JP赤道儀のバランスウエイトはネジ式になっているので取り付けにくい。バランスシャフトの先端にアルミの棒を取り付けた。これがガイドになり暗闇でも簡単にバランスウエイトが取り付けられるようになった。 アルミの棒にM10タップをたててねじこんだだけである。鉄製のバランスウエイトのメスネジはアルミに負けることはない。

4.Kowa PROMINAR 500mm F5.6 FL


軽量で小型の望遠レンズ。コンバージョンレンズ TX07 を使用すると350mmF4 となる。星像はFD300mm F2.8L よりも数段シャープである。

K-Astec PROMINAR500mmF5.6FL 専用バンド
K-Astec PROMINAR500mmF5.6FL リアバンド
K-Astec PROMINAR500mmF5.6FL マイクロフォーカスアジャスターMFA

 上記の組み合わせで撓みが発生したので鏡筒の前側に3点支持用のリングを追加して補強した。補強前の撓みの量は1時間に 3pixel (EOS6D f=350mm)のずれである。リアバンドはTX07の固定に有効である。本体とTX-07の接続はバヨネットであるがここで撓み(ガタ)が発生する。
 TX07にHEUIBⅡ(IDAS)フィルターを取り付ける。4ヶ所のネジをはずしてEOSマウントをはずす。EOSマウントの内側に52φのフィルターを入れてみる。少しゆるいので薄い紙をはさんできつい状態で固定した。厚さ 2.5mm のフィルターを入れたのでフランジバックが変わり星像は少し悪くなった。2016年8月に厚さ1mmのスペーサを入れたところ良好な星像になった。


EOSマウントは4本のネジで簡単にはずれる。EOSマウントに挿入したHEUIBⅡフィルター。

EM100(タカハシ)に載せて撮影。ガイド鏡は口径50mmのファインダーを使用。ガイドカメラは現在ASI290MC やQHY5LⅡを使用。マイクロフォーカスアジャスターMFA(K-Astec)は必需品である。ピント合わせが非常に楽になった。


フードの内側に内面反射防止シール・ファインシャット極を貼ってみた。内側右上が貼った部分。内側下側はまだ貼っていない部分。


PROMINAR 500mm F5.6 FL と 冷却CCDカメラ STL-11000M 2017 02 10

赤道儀は EM100(タカハシ)。STL-11000M は赤緯方向のバランスを取るためにカウンターウエイトが必要である。

接続アダプター
コンバージョンレンズ TX07-C を TX07-T に交換して STL-11000M を取り付けた。 TX07-T は、分離式の構造になっており市販のフィルタ-や他社製のアダプタ-を接続して様々な使い方ができるアダプタ-である。TX07-T の M56 ネジに接続するアダプターを製作(外注)して Pentax 6x7 マウントを介して STL-11000M を接続。カメラが重いために、PROMINAR と TX07-Tの接続バヨネットに撓みが発生した。このために K-Astec リアバンドにタップをたて M2イモネジで横から固定して補強した。試写の結果撓みによる片ボケもなく良好である。STL-11000M に EOS マウントを付ける方法もあるがε250C と Pentax 6x7 マウントを共有するためにこのようなアダプターを使用した。

極軸設定


Pole Master ではなく、Pole Marker

 Pole Master(QHYCCD) のテーパーリングが1つ余ったので、手持ちの接眼アダプターを使ってPole Master の代わりにレーザーポインターをつけてみた。クリップはスイッチを常にON にするために使う。EM100 赤道儀を狭いベランンダに毎回出して使うときに極軸をその都度合わせるのは大変である。北極星が見えないのだ。そこでレーザーを壁に照射して壁に印したポイントに極軸方向を合わせることによって常に同じ向きに極軸を向けられる。壁に印を付けるためには1回はドリフト法で極軸を合わせる必要がある。壁まで1mの距離があれば壁面上で1mmのずれが3.4′角の精度で極軸を合わせられるはずだが・・・。
 Pole Master は実際に使うと極軸設定が楽である。極軸望遠鏡を見るためにかがんだり、眼鏡をはずしたり、水準器を合わせたりすることがなくなった。以前は北極星の視位置、大気差、時角を計算して極軸望遠鏡で合わせていたが、設定時間や精度は同等である。極軸は大気差で浮き上がった天の北極 (Refracted Pole) と大気差の影響を受けない真の天の北極 (True Pole) のどこに向ければ良いか。Refracted Pole は True Pole より約 85″浮き上がっている。厳密にいうと天の北極付近の天体を撮影するときは Refacted Pole に、天頂付近の撮影は True Pole に向けると良いだろう。ちなみに、シミュレーションによると True Pole より 40″高い位置に極軸を設定すると、赤緯方向のずれが天の広い範囲で最小になる。極軸合わせの時角計算では True Pole より 40″上に向くようにプログラムしたものを使った。40″という角は小型赤道儀では気休めに過ぎないが・・・。Pole Master には大気差補正機能があるが極軸はどこに向いているのだろうか。

5.FD 300mm F2.8L

ε250Cに同架したCanon FD300mm F2.8L。このレンズ は、FD レンズなので、EOSで撮影するために光映舎のアダプターを使用した。シャープなレンズであるが青いハローが輝星の回りにでる。EOS 5D との組み合わせでISO800・5分程度の露出で撮影できる(売却)。

6.μ180

μ180(タカハシ)は口径180mm、焦点距離2160mmのドールカーカム式の反射望遠鏡である。コンパクトなので架台はEM100(タカハシ)を使用して自宅ベランダで主に惑星や月を撮影。購入は1993年。

① ファンの取り付け

図のようにμ180の主鏡は中央1点で支持されている。この主鏡はせまい空間に置かれており、主鏡裏側の空気は気温になじみにくい構造である。したがって主鏡温度も外気温になじむのに時間がかかると思われる。特に望遠鏡を暖かい部屋に収納してあった場合は、外気にさらしたとき主鏡裏面の空気が主鏡周辺のわずかな隙間(5mmほど)から上昇気流となって出るしかない。そこで主鏡セルに3ヶ所電動ファンを取り付けて強制的に温まった空気を排出することにした。加工は ホールソーを使用して38Φの穴をあけて、40Φのパソコン用のファンを取り付けた。電源は12Vで風量の強弱の切り替えが可能である。十分な検証をしていないが冷却時間の短縮には効果があったが主鏡が外気温となじんでしまえばファンのON/OFFで画像は大きな変化はない。ファンの振動は問題はなかったので常に弱でファンを常に動かして撮影している。加工するために分解したついでに、主鏡の洗浄や可動部分のグリスアップ、ピント調節調節ノブのアソビ調節などを行った。この結果、ミラーシフトは激減した。


② 電動フォーカサー

惑星や月の拡大撮影ではピント合わせ用の電動フォーカサーは必須である。特にμ180のようにピント合わせに主鏡を動かす方式ではミラーシフトがあるので惑星の位置はずれ、手の振動で望遠鏡は揺れ細かなピント合わせは困難であった。そこで、笠井トレーディングで販売しているシュミカセ用Cyberクレイフォード接眼部(nFocus:電動フォーカスコントローラー付)を接続リング(μ2インチネジAD:スターベース)を介して取り付けた。これでノ-トパソコンの前に座って、屋内でピント合わせを行える。

③ ZWO ASI290MC など

μ180にバリエクステンダー(タカハシ)+ZWO ADC1.25"大気分散補正プリズム+ZWO ASI290MCで撮影。

④ 2003年の撮影システム

2003年の火星大接近ではToUcam(Web Camera)を使用して惑星を撮影した。ToUcamはアルミケースに収納される(光映舎)。2003年の火星画像を現在のソフトで再処理してみたが、15年前のToUCamは結構優秀であったと思った。



バリチューブ(40mm)
個数
拡大率 合成焦点距離 合成F
1.6 3456mm 19.2
2.1 4536mm 25.2
2.5 5400mm 30.0
3.0 6480mm 36.0
3.5 7560mm 42.0

7.FC60NZ

FC60NZに電動フォーカサーを取り付けてみた。EM100赤道儀をE-ZEUSⅡに改造して古い赤緯モーターを取り外したのでこれをピント調節用の微動ハンドルに取り付けた。EM100の赤緯微動軸径が9mm、微動ハンドルの軸径が8mmだったので、外径9mm、内径8mmの真鍮パイプを入れて赤緯軸のギアを取り付けた。赤緯軸ギアにはもともとクラッチがついているので便利である。鏡筒バンド(K-Astec)とアリガタレールの間に15mm角のアルミ棒を挟み込み、このアルミ棒にM8タップをたててモーターを固定した。これを使わなくなったPD6で動かす。電源は12Vであるがピント合わせをしていないときは電流は0mA、高速駆動で100mA、低速駆動で200mAである。電流が少ないので乾電池でも動かすことも可能と思われる。トルクも十分あり高速駆動で1秒間に0.17mmドロチューブが動く。低速駆動では遅すぎて使用不可である。実際に使用するとPCカメラの画像をパソコン上で見ながらピント合わせをするときに電動フォーカサーの使用感はとても良い。実際にはPD6のガイド端子からケーブルを使い、小さなコントローラで操作する。改造費用はアルミパイプ代の約300円のみ。


8.天体の導入

MaxIm-DL の PinpointAstrometry を使い撮影画像の中心赤経赤緯を計算して、プラネタリーソフト SuperStarⅣに表示させます。現在の望遠鏡の向いている赤経赤緯がわかるのでこの位置を同期してから目的位置に自動導入すると高精度に天体を導入できる。支援ソフト Super PinPoint を開発して自動処理を行う。デジタル一眼レフのRAW 画像もMaxIm-DL で読み込み同様の処理を行う。


9.TG-SP タカハシ:スカイパトロール  2021/05/07

日食遠征用に購入したが色々つけ足してこんな姿になった。24mm 広角レンズ専用のポータブル赤道儀として使用していたが 105mm レンズでも撮影が可能であった。赤緯体をオフセットして取り付ける改造によってカメラを極軸に近づけたのでウエイトは最小限でSIGMA 105mm F1.4 DG HSM+EOS6D でも搭載可能になった。ピリオデックモーションは大きく露出時間は制約されるが ISO感度を高く設定して短い時間で撮影する。105mm レンズ付属のフードは浅くて迷光が入りやすいので延長フードを自作した。極軸設定は極軸望遠鏡でもできるが最近 PoleMaster を使うことが多い。

105mmレンズ 60 秒露出×18 のコンポジット画像
赤色の曲線は  Δδ秒角=25"sin(t/526・π)   t::秒
TG-SP のピリオディクモーション ±25″(±2 Pixel:105mm+EOS6D) 
ウォームギアは約 17分31秒で 1回転する。
    露出時間と赤緯方向のズレの最大値 EOS6D
撮影レンズ
焦点距離
露出時間    
 60秒 90秒   120秒  300秒
 105mm  0.7 Pixel  1.0 Pixlel  1.4 Pixel
 24mm  0.2 Pixel  0.2 Pixel  0.3 Pixel  0.8 Pixel


10.SIGMA 105mm F1.4 DG HSM


このレンズは大変シャープであるのでフォーカス合わせは難しさを感じたので写真のようなマイクロフォーカスアジャスターを作成した。現在はバーティノフマスクを使用しEOSUtilityでライブビュー画像をPCで見ながらフォーカスを合わせている。周辺減光のために F2.5 で使用しているがフラット補正は必須である。しかし良好なフラット画像を得ることがなかなかできなかったので現在試行錯誤中。付属のフードは浅くて迷光が入りやすいので自作の延長フードを取り付けて撮影する。EM100赤道儀での撮影ではガイドはほとんどしなくても良い。