デジタル一眼レフにおけるフラット補正
1.フラット画像の撮影
2.フラット補正の原理
3.デジタルカメラの縦スジの除去 New
2012/01/03 更新
フラット画像は次の点に留意して撮影をすると良いと思われる。
@. 天体撮影時と全て同じ光学系、フィルター、カメラ位置、同じフードをつけ徹底的に撮影時と同じ条件で撮影する。天体撮影時と全て同じ光学系、フィルター、カメラ位置、同じフードをつけ徹底的に撮影時と同じ条件で撮影する。 A. 30画像ぐらい撮影しフラット画像のランダムノイズをできるだけ軽減する。もちろんダーク減算もする。
実際にフラット補正を行うと強調処理を行うと完璧な補正はむずかしい。特に35mm フルサイズのカメラではミラー切れの影響は大きくフラット補正に困難さを感じる。デジタル一眼のリニアリティの問題や、完璧なフラットな光源をどう得るかなど課題が多い。フラット補正についてはまだまだ完全に補正できると言い切れない点も多くまちがった考えもあるかもしれない。さらに改良点や訂正があれば更新していく。
x、y :RAW画像上のピクセルの位置 LR(x、y) 、LG(x、y) 、LB(x、y) :天体撮影画像のRAW画像のRGB値 LRd(x、y)、LGd(x、y)、LBd(x、y) :天体撮影画像のRAW画像のダークのRGB値 FR(x、y) 、FG(x、y) 、FB(x、y) :フラット画像のRAW画像のRGB値 FRd(x、y)、FGd(x、y)、FBd(x、y) :フラット画像のRAW画像のダークのRGB値 TR(x、y) 、TG(x、y) 、TB(x、y) :真の天体撮影画像のRAW画像のRGB値 KR(x、y) 、KG(x、y) 、KB(x、y) :光学系の減光率、0≦K≦1 K=0 ケラレ等で光が全くこない。K=1 ケラレが全くない
R画像に関して、ダーク減算した天体撮影画像の値は周辺減光等のない TR に光学系の減光率 KR を乗じたものであるので、
LR(x、y) − LRd(x、y) = KR(x、y) * TR(x、y) (1)
と書ける。一方、フラット画像に関してダーク減算したフラット画像の値は周辺減光のないフラットな値 FRc に光学系の減光率 KR を乗じたものであるので、
FR(x、y) − FRd(x、y) = KR(x、y) * FRc (2)
(1)÷(2)を行うと
TR(x、y) = ( LR(x、y) − LRd(x、y) )/{ ( FR(x、y) − FRd(x、y) ) / FRc } (3)
となる。FRc は
( FR(x、y) − FRd(x、y) ) / FRc = 1 になると都合がよいので、FRcは FR(x、y) - FRd(x、y) の全画像の平均値を採用する。
(3)は光の強度とRAW画像のRGB値がリニアーな関係にある、すなわち比例していることが大前提となっている。光の強度が0 のときRGB値は0でなければならない。したがって短時間露出でダーク減算が必要でないと思わる場合でも、天体撮影画像、フラット画像ともにダーク減算は必須である。ちなみに、この除算では銀塩フイルムには適用されないのは明確である。銀塩フイルムでは写真濃度と光の強度の対数が特性曲線によって関連づけられるためである。銀塩フイルムでは除算も減算も正しくない。
次にデジタル一眼では光の強度とRAW画像のRGB値がリニアーな関係にあるか?これに関しては調査中だが、簡単なテストでは低輝度部分ではほぼ比例しているが光の強度が強くなるとサチュレートする傾向にあるのでこの部分を使わないように天体撮影画像とフラット画像の露出時間をきめる。
青空でフラット画像を撮影